人はイメージと現実を区別できない

続き・・・

 

九州大学医学部で面白い実験を行ったことがあります。

 

漆にかぶれるという十三名の高校生に目隠しをして、右手に栗の葉を、左手に漆の葉をこすりつけ、どんな発症経過をたどるかを観察したのです。この実験では、被験者の高校生には、漆を、栗の葉、栗を、漆の葉と、事実とは逆のことを教えておいたのです。

 

結果は、十三名中、九名が、栗の葉をこすりつけられた右手に皮膚炎が現れたのです。それに対して、実際に漆の葉をこすりつけた左手には、だれ一人、異常が現れなかったのです。

 

また、漆アレルギーの人に漆を塗り、同じ漆を一方は漆、他方は赤い水と言って塗ると、赤い水と信じた方は漆アレルギーの症状が起きなかったそうです。

 

この様に、人間はイメージする事と現実との区別がつかないのです。

 

有名なところでは『プラシーボ効果』などもありますよね。

 

第二次大戦中のカナダ海軍で、船酔い防止のために新薬をテストしました。Aのグループには新薬を、Bのグループには何の効果もないただのビタミン剤を投与し、Cのグループには何も飲ませなかった。すると、ABそれぞれ13%しか船酔いにならなかったのです、Cのグループは30%も船酔いになってしまったという結果が出ました。

 

現在でもお医者さんに『これはよく効くよ~』なんて言われて渡されたお薬は、よく効きそうに感じるものですよね。

 

続く・・・


疇地心理研究所

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