「らしさ」が創る自己イメージ 「らしい」自分

さて、そんなイメージをどうやって創っていくのかというと・・・。

 

心の一番外には「ペルソナ」という元型があるとユングと言う心理学者は考えました。ペルソナとはギリシャの仮面劇に使う仮面の事で、後に人間を意味する「パーソン」、人格を意味する「パーソナリティ」と言う語になって行きます。ペルソナとは実際の自分ではなくて、自分や他人が考えているような自分のことで、言わば心がまとっている服のような物です。言い換えれば「外向けの自分」と言う事です。

 

ペルソナの形成は、小さい頃から自分の周り、つまり親や学校の先生などから何かを期待される、期待される事によって自分はこうすべきだと言う事を学んで行き、段々外側の自分と言う物が形成されて行くわけです。

 

ペルソナがなければ生の自分が出てしまい、社会生活が円滑に進みません。その現われとして、生の自分を出してはいけない職業には制服が用いられています、制服には個性を表出させないという効果があるのです。制服を心に当てはめてみればペルソナがどういう物であるかイメージがわくでしょう。

 

前出の『血液型』もそうです、A型らしく振舞おうとするのです。そして、フィリップ・ジンバルドーという心理学者が行った実験と言うのは、大学の地下に監獄を造ってアルバイトを雇い、囚人役と看守役に別れさせて心理変化を観察すると言うものでした。

 

この実験はなんとたった6日(だったかな)で中止せざるを得ない状態になってしまったのです。

実は、囚人役だった人達が暴動を起こしたのです。

 

この実験は、実験としては大失敗だったのですが、歴史的な発見をしたのです。

『人間は役割によって振る舞いや性格がいとも簡単に変化してしまう』と言うことです。

 

続く・・・。

疇地心理研究所

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