失敗を回避するために成功を回避する

ある映画のお話。女王に恋をした兵士が女王から「100日間窓の外で待てばあなたの物になりましょう」と言われて、雨の日も風の日も待ち続けたが、99日で去って行った。これは、成功を回避してでも失敗をしないようにする(女王が約束を破るかもしれない)と言うもの。やはり兵士の自己イメージは「自分は女王と一緒になるなんて事はあり得ない」と言ったもので、自己評価が低かったと考えられます。

 

これを『失敗回避動機』と言います、過去にどの様な経験や記憶があるかによって選択する行動(無意識的に)が変わってしまいます。例えば、今まで何をやっても否定されたり褒められなかった人は、「自分は何をやってもダメなんだ・・・」とか、「他人の20倍ぐらい頑張っても足りないぐらいの人間だ・・・」と言った事を自動的に学んでいくのです。

 

これをマーチン・セリグマンと言う心理学者が『学習性無力感』と言いました。

無力感をも学習してしまうという事なんですね。

 

よく似たものに、セルフハンディキャップと言うものがあります。

これは、失敗した時の心のダメージを軽減させようと無意識的にとる行動で、自分に不利なことをするのです。こんな事はなかったでしょうか?

明日は試験、今日は寝ないで勉強しないといけないな。それなのになぜか知らないけど部屋の模様替えを始めてしまう・・・。

 

とか。

 

続く・・・。

疇地心理研究所

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